トキンクラブ

執着もほどほどにね

師匠は変える

はじめに

羽生善治, 白石康次郎「勝負師と冒険家」 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492043659/jijyoron-22

将棋界には羽生善治という生きるレジェンドがいるんですが、彼の発言はそのユニークさで将棋界以外からも注目されており(逆に将棋界からは若干ハブられてたりするんですけれど)、何故かというと、彼のそもそも習慣なのでしょうが、自分の思考を言語化することに長けているんですね。なので彼だけが体感した物事が言葉で受け取れることができる。これマジ凄くて、他の世界にこんな人は少ないと思います。

だから、羽生善治を題材にした書籍は基本、対談やインタビュー記事を読むことをオススメします。羽生論みたいな、第三者が羽生を語っている本でまともな水準のものは皆無ですので、手にとらないほうがよいでしょう。

概要

本書はヨット乗りの白石康次郎と羽生善治との対談をまとめたものとなっています。2010年に出版されています。内容はヨット業界と将棋業界をお互い紹介しながら、同じ所、違うところを比較しつつ、ついでお互いの人となりを比べながら楽しく語り合うもので、私は将棋界のほうはそこそこ知っているので、驚きこそなかったのですが、白石のアグレッシブな質問や提案に仰け反りながら読みました。

本書で羽生も述べていますが、将棋界は慣習の縛りが強くて、新しいことを避ける傾向があり、例えば羽生の脳を活性化させるために、高地トレーニングや酸素の吸引の提案、コンピュータの積極的な導入など古いファンなら目が吊上がことは必須wなことが目白押しで刺激を受けます。そして羽生もそんな提案に否定せずまず検討する姿勢なんですね。

停滞することをよしとしない、常に変わることを求め、失敗を恐れず、10年後には想像もつかないような姿になっていたいと語る羽生の姿は、現代社会を生き抜く受けでの一つのモデル、とまでは言い過ぎですけれど、ヒントになると思います。

スポンサー探しからえらい大変なヨットの世界の面白さも味わえてお得な一冊といえますね。世界一周をヨットに1名で挑むとか正気とは思えないけど凄いよねえ。死と隣合わせだし。目が覚める面白さです。

注目したところ

白石 ある合気道の先生が、変な練習を三年するよりも三年かかっていいから、 いい師匠をみつけなさいと。道元もそうだよね。いろんな僧に支持したけれども 全然ダメで、これはという人に出会って大成したんです。

中略

ダースベーダーは若いころ、正義のジェダイの騎士だった。変な新興宗教にのめり込む人もそうだけど、 みんな最初から悪い人じゃなかった。それが変な師匠に付いたがために、みんな悪に落ちていくんですよね。 だから人を見る目というのはとても重要です。

わかるなあ。私も人生の指針に悩んでいた時期に、どうすれば自分をより良く出来るのだろうか、と悩んでたくさん本を読み、結果、スマイルズの自助論に辿り着いた経緯がある。変に妥協せずに、でもピンときたらそれを逃さない力って、やっぱり何度も繰り返して苦労して調べて身に付けるしかない、まじめにコツコツことが一番確実なんだなあと思いました。信頼できる人に聞ければよいけれど、その人に出会うのも結局自分で引き寄せるしかないしね。

あと、例えば素人がホリエモンをモデルに起業するとかも、選択した師匠を誤っているよね。彼はルールのギリギリを攻めるタイプで、本書でいう白石の師匠である多田雄幸と同じ破滅型。真似すると暗黒面にすぐ取り込まれるんだけど、気付かず信奉する人が絶えませんよね。上手く商売しているなあ。

今日の自助

ゴミ出しをする白石とゴミ出しをしたことのない羽生。私は明らかに白石タイプだなw 嫁にゴマをすっておくのは家庭平和の基本です。

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